海外FXを使う前に必ずと言ってもいいほど目にする文言が「海外FXは危険だからやめておいた方がいい」ということです。
たしかに、海外FXはハイレバレッジ取引ができるため、少額でも大きな利益を狙える反面、損失額が大きくなってしまうという側面を持ちます。
悪徳業者の中にはせっかく利益が出たのに出金拒否が起こるなんていう噂もあります。
果たして、これらの噂は本当なのでしょうか？
「安全な海外FX会社を選ぶためにどうすればいいか」や「海外FXを利用する時のリスク」などについても言及しているので、参考にしていただければ幸いです。
海外FXの安全性は低い？
海外FXをまだ使ったことがない人にとって一番気になる点が「海外FXの安全性」についてでしょう。
「海外FXは違法だ」「日本の金融庁から警告を受けている海外FX会社がほとんどだ」などということを耳にしますが、果たしてこれらの事実は本当なのでしょうか？
まずは、海外FXの安全性について詳しくみていきましょう。
そもそも海外FXは違法なのでは？
この記事をご覧になっている方の中には、「海外FXは違法だから利用してはダメだ」ということを聞いたことがあるかもしれません。
結論から申し上げると、海外FXを使ったからといって捕まることはありません。
なぜ「海外FXが違法だ」というデマが流れているのかというと、海外FX会社は日本の金融庁に登録しておらず、日本の金融庁が課している規制から逸脱したサービスを提供しているからです。
例えば、日本では最大レバレッジが25倍までしかかけれられませんが、海外FX会社では数百倍、数千倍、中には無制限でレバレッジがかけられる会社も存在します。
こういった背景もあり、海外FX会社が違法だというデマが流れています。
海外FX会社は金融庁から警告を受けている？
日本の金融庁に登録していないにも関わらず、日本人向けのサービスを提供している海外FX会社はもれなく、日本の金融庁からの警告を受けています。
ポイント
XMやGEMFOREX、Axiory、TitanFX、LAND-FXなど日本人ユーザーの多い海外FX会社にも警告は出されています。
「日本の金融庁から警告を出されているということは、その海外FX会社を利用すれば捕まるのではないの？」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論を申し上げますと、日本の金融庁から警告を受けている海外FX会社で取引をしても問題ありません。
税制度の違いなどはありますが、国内FX会社と同じように海外FX会社を利用することができます。
金融ライセンスの有無を確かめることが必要
海外FX会社を利用しても問題ないという話をしましたが、日本の金融庁に登録していないということは、安全性を確かめる審査を通過していないということになります。
そのため、海外FX会社の中にはトレーダーからお金を騙し取るような悪徳会社も存在することは事実です。
例えば、DD方式であるのにNDD方式と偽り、レートを故意に動かすことで利益を上げる会社やトレーダー側には何の落ち度もないのに言われもない理由で出金拒否を行う会社などが例としてあげられます。
そういった会社でお金を騙し取られないためには、金融ライセンスの有無を確認することが必要です。
日本以外にも金融ライセンスを発行している国はたくさんあるため、大手の海外FX会社は基本的にはどこかの国のライセンスを所有しています。
金融ライセンスを取得しているということは、審査に合格しているということなので、一定の安全性が確保されていると判断できるでしょう。
安全な海外FX会社を選ぶ時のポイント
海外FXで取引すること自体は違法ではありませんが、日本の金融庁の目の届かない領域になるので、自己責任で取引することになります。
そこで重要になるのが、どうやって安全な海外FX会社を見極めるかということです。
日本以外の国で金融ライセンスを取得しているかどうかをチェック
海外FXを選ぶ時に最も簡単で信頼性のあるチェック項目は金融ライセンスを取得しているかどうかです。
先述しましたが、大手海外FX会社のほとんどが日本以外のどこかの国の金融ライセンスを取得しています。
例えば、有名な海外FX会社が保有している金融ライセンスは以下の通りです。
▶︎有名な海外FX会社が保有している金融ライセンス一覧
| 海外FX業者 | 金融ライセンス |
| XMのライセンス | セーシェル金融庁ライセンス（FSA） |
| GEMFOREXのライセンス | モーリシャス金融庁ライセンス（FSC） |
| Titan FXのライセンス | ニュージーランドライセンス（FSPR） |
| AXIORYのライセンス | ベリーズライセンス（IFSC） |
| Tickmillのライセンス | セイシェル金融庁ライセンス （FSA） |
| Hotforexのライセンス | セントビンセント＆グレナーディン証券取引委員会（SVG FSA） |
日本人向けサービスを運営している会社以外にも、母体となる会社やグループ会社などを合わせて取得してるライセンスが複数あればより安全性・信頼性は高いといえます。
各海外FX会社が取得している金融ライセンスについては、公式サイトの会社概要などに載っていてすぐに調べられます。
分別管理と信託保全によって顧客資金が保護されているチェック
海外FX会社では分別管理や信託保全といった制度によって顧客資金が保護されます。
ポイント
分別管理とは、顧客の資金と会社側の資金を分別して管理する方法です。
この分別管理がされていないと、経営不振に陥ったときに、自分の預けていた資金が会社運営に使われるということになります。
分別管理がされていない海外FX会社に資金をあずけており、その会社が破綻した際に自己資金が返ってこないという事態になりかねませんので、分別管理の有無は必ず確認しておきましょう。
どの銀行に預けているかも明記されていれば、安全性・信頼性はさらに高いと判断できます。
信託保全は、トレーダーから預かった資金を信託銀行に預けて保管するという資金管理方法です。
海外FX会社で信託保全がされているところは少ないですが、信託保全されているのであれば預けた資金は安全に保管されていると判断して問題ないでしょう。
運営会社の資金や規模、業績をチェック
FXサービスを提供している運営会社の資金や運営規模、業績を確認することも海外FX会社選びにおいて重要です。
「運営会社の資金や業績は安全性には何の関係もないのでは？」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、これは大きな間違いです。
なぜなら、運営会社の資金が少なく、業績が悪いとサービスの提供が続けられず、FXトレード自体を長く続けられないからです。
情報を公開してない会社もあるので、必ずチェックできるとは限りませんが、運営会社の資金や規模、業績などについては、公式サイトで確認できるので、公開されている情報は事前にチェックしておいたほうがいいでしょう。
出金拒否がないかチェック
そのため、海外FX会社を選ぶ時には出金拒否がないかチェックすることが重要です。
ただし、出金拒否といっても会社側が故意に行っているのか、トレーダー側の不備で起こってしまった出金拒否なのかを判断する必要があります。
近年、AML（アンチマネーロンダリング）の観点から、各FX会社では厳しい利用規約が課せられています。
そのため、知らず知らずのうちに利用規約に抵触してしまい出金拒否となっているケースが跡を立たないのです。
TwitterなどSNSの口コミ・評判を参考に出金拒否の有無を確認するのはいいですが、その口コミ・評判が信頼のできるものなのかをしっかりと見極めるようにしましょう。
ゼロカットシステムがあるかどうかをチェック
ポイント
ゼロカットシステムとは、相場の急変動があった際に強制ロスカットが間に合わずに口座残高のマイナス分をゼロにリセットしてくれるというシステムです。
国内FX会社ではゼロカットシステムは採用されていないため、海外FX会社ならではの制度といえます。
特に、海外FX会社では、数百倍、数千倍といったハイレバレッジ取引が当たり前となるので、利益が大きくなる反面損失もかなりの額となります。
ゼロカットシステムが採用されている会社であれば、ロスカットが間に合わないケースでも入金していた資金がなくなるだけで、それ以上の損失を防ぐことが可能です。
ほとんどの海外FX会社でゼロカットシステムが採用されていますが、念のためゼロカットシステムの有無を公式サイトでチェックしておきましょう。
ForexPeaceArmyでSCAM認定があるかどうかをチェック
『ForexPeaceArmy』とは世界中のユーザーによってFX会社が評価されている、口コミサイトです。
ForexPeaceArmyは、海外FX会社の評価を知りたいならまず見るべき世界最大級の口コミサイトといえます。
日本語に対応しておらず、サイト内の言語は全て英語で記載されていますが、海外FX会社選びにとても役に立つ口コミサイトです。
そのForexPeaceArmyで採用されているシステムの1つが「SCAM認定」です。
SCAM認定は数多くのトレーダーたちの口コミから悪徳業者・詐欺業者と認定された証です。
そのため、海外FX会社を利用する前にForexPeaceArmyでSCAM認定の有無を確認するといいでしょう。
取引方式がNDD方式かどうかをチェック
利用しようと思っている海外FX会社の注文方式が「NDD方式」であれば、より安全性の高い取引環境といえます。
FXでの取引方式では、大きくわけるとDD方式とNDD方式という2種類の方式に分けられます。
DD方式ではトレーダーとインターバンクの間にFX会社のディーラーが仲介して注文を受けるかどうかの判断が行われます。
DD方式にもスプレッドが狭くなるなどもメリットはあるのですが、FX会社のディーラーがどのような行動をしてるかが公開されておらず、少し透明性の低い環境となってしまいます。
また、DD方式では仕組み上トレーダーの損失がFX会社の利益となるため、自分が負けた時に「FX会社側がレートを動かすなどしてわざと負けさしたのでは？」と疑ってしまうケースも多々あります。
一方、NDD方式ではディーラーが介在しない透明性の高い取引環境を実現しています。
FX会社側の主な利益がスプレッドになるため、スプレッドが広めに設定されていますが透明性の高いより安全な環境を求めている方は、NDD方式の海外FX会社を選ぶのがいいでしょう。
日本語サポートがあるけどうかをチェック
最近では大手海外FX会社のほとんどが日本語サポートを充実させていますが、中には日本語サポートを受けられない海外FX会社もまだ存在します。
日本語でサポートが受けられないと、万が一トラブルが発生したときの問い合わせが英語になってしまい、非常に大変です。
特にFX初心者の方は、わからないことも多いかと思いますので、日本語サポートがある海外FX会社を選ぶのがいいでしょう。
海外FXのリスクをしって安全に取引しよう
その一方で、海外FX特有のリスクというものも存在します。
海外FXのリスクをしっておくことも安全に取引をする上で重要です。
ハイレバレッジ取引はメリットでもあるがリスクが高まる
例えば、1,000倍のレバレッジをかけて取引すれば1,000倍の資金効率で利益が増えますが、レートが予想と逆に動けば1,000倍の資金効率で損失が増えていきます。
特にFX初心者の方は、利益に目がくらみ許容できるリスクを考えずにハイレバレッジ取引を行ってしまったがためにすぐに強制ロスカットになるというケースが跡を立ちません。
ハイレバレッジ取引ではリスクも高まるということを念頭において取引をするようにしましょう。
スプレッドは国内FX会社よりも基本的に広い
これは、先ほど説明した注文方式が関係しています。
国内FX会社ではDD方式を採用しているため、スプレッドでの利益が少なくても十分な利益を得ることが可能です。
一方、多くの海外FX会社ではNDD方式を採用しているため、スプレッドが国内FX会社よりも広くなってしまいます。
スプレッドの狭さだけを見れば国内FX会社の方が有利な条件となるので、その点は注意しておきましょう。
総合課税なので利益が大きいとその分納税額が大きくなる
国内FX会社での取引で得た利益は「申告分離課税」として扱われるため、20.315%の税率で一律なので、どんなに利益が増えても税率が変わることはありません。
しかし、海外FX会社での取引で得た利益は「総合課税」という扱いになり、累進課税制度が適用されるため、利益が大きくなればなるほど税率が上がっていきます。
課税制度の違いを理解した上で、海外FX会社を利用するようにしましょう。
海外FXは会社を選びをしっかりすれば安全に取引できる！
海外FXに詳しくない方にとっては「国内FX会社よりも海外FX会社の方が危険だ」というイメージがあるかもしれませんが、実はそうではありません。
確かに、悪徳な海外FX会社があることは事実ですが、大手海外FX会社やきちんとした海外FX会社などは国内FX会社に負けないほどの安全性を確保しています。
NDD方式を採用していることや追証なしのゼロカットシステムを採用していることも考えれば、海外FX会社の方が安全に取引できるといえるかもしれません。
しかりと事前にリサーチをすれば安全な海外FX会社で取引ができるので、この記事を参考にして自分に最適の海外FX会社を見つけてくださいね。